「精神世界の鉄人」 エッセイ集

タイトル 発行月日
バシャール 16  1本のスプーン 7/3/2001

「退行催眠」によって、自分の魂の起源をある程度思い出した私は、少し人生に対する見方が、変わりました。「永遠の生命」というものを知ると、「人生観」が変わるとは聞いていましたが、これほど変わるとは驚きでした。

日常生活の全てのことが、とても愛しく感じられるようになりました。また気持ちに余裕がでてきました。よく「輪廻転生を知ると、現実世界を軽んじるようになる」という意見も聞きますが、私の場合は逆に、「現実世界」をもっと、充実して生きたいと思うようになりました。こういう人の方が、多いと思います。

そして、なによりも自分の「肉体」というものが、とても大事なものだと感じるようになりました。たしかに、魂は永遠なのですが、この「私の肉体や人生」は、今回限り、たった一度だけなのです。

そう思ったとき、この自分の肉体を使って、もっと楽しいことをやりたいと考えるようになりました。そして、子供の頃からの夢だった、「アメリカに行って、世界中から集まってくる、怪力男達と、とことん、腕っ節の勝負をしてみたい。」という気持ちが、強くなってきました。

子供の頃、「空手バカ一代」という漫画を読んで、主人公の「故 大山倍達」という人物が、大きな外国人を相手に戦い、勝つのを胸を躍らせてワクワクしていました。まあ、作者の脚色も多かったでしょうが、とにかく、もういちど童心にかえって、人生を楽しもうと思いました。

しかし、問題が、3つありました。「英語の能力」、「人脈」、「お金」でした。当時、私にはこの3つが、欠けていたのでした。

常識で考えれば、しっかりと働いて、お金を貯金して、それから計画を立てて、渡米するというのが筋道でしょうが、私は、「バシャール流のワクワク方法」で、この夢を実現してやろうと思いました。もう、「確実に自分はそれができる」という確信にみちていました。そして、日常の「小さなワクワク」を大切にするように、意識しました。ただ、それだけです。本当にそれだけをやったのでした。

喫茶店で、いつも「アイスコーヒー」を飲んでいたのですが、これを、「グレープジュース」に変えてみました。本当にそのような小さいことを、意識してやってみたのです。すると、「現実の世界」が少しづつ動き始めました。

「英語」の方は、すぐに解決しました。ある本の中に、こういう文章がありました。

「人類の歴史上、外国語ができないという理由で、外国で死んだという人物は、一人もいません。言葉などできなくても、生活はできるのです。だいたい、外国語ができないから、外国に行く意味があるのです。外国語ができる人が行っても、意味がありません。」

「なるほど!」と思いました。確かにそのとおりです。少なくても死ぬことはないと気が付いたとき、勇気が湧いてきました。(笑)

次にアメリカに、知り合いが誰もいないという問題がありました。これは、結構心細いものです。いろいろ探したのですが、やはりいませんでした。そこで、ダメモトで、沖縄の実家の母に電話しました。「誰かいない?」と。

それから1週間して、母から、電話がありました。何でも、私が母に電話をして、5日ほどたった日に、ロサンゼルスから国際電話がかかってきたそうです。その電話は、母の昔の高校時代の親友からだったそうです。数十年ぶりの電話だったそうです。以下が、あとから母から聞いた、電話での会話です。

「久しぶりねー。元気だった? 懐かしいねー。実は昨日ね、高校の頃のことをつい、思い出しちゃたの。家庭科の時間に、私がスプーンを1本片付けるのを忘れて、そのスプーンに、カビが生えちゃった時のこと、覚えてる?」

とその母の親友がそう言ってきたそうです。母は、

「ぜんぜん覚えていないけど、それがどうしたの?」

と言ったそうです。するとその親友は、

「あの時、あなた、一緒に職員室までついてきてくれて、先生に一緒に謝ってくれたじゃない? 覚えている? 私その時、死ぬほど嬉しかったの。もうずーと昔の話だけどさー。あの時のスプーンのお礼をしたいんだけど、どうしたらいいかしら? 何か希望ある?」

と言ってきたそうです。聞くと、私が「パワーリフティング」の修行をしたいと思っていたジムの近くに、その人は、住んでいました。それで母が、

「じゃあ、私の息子が、ロサンゼルスに行きたがっているから、めんどうみてくれない?」

と言ったそうです。それで、話がまとまりました。

聞くとその親友は、有名な会社の社長婦人になっていました。

そこで、その家に手紙を書いて送りました。すると返事の手紙が返ってきました。

その手紙には、「子供がいないので、ちょうど寂しかったので、家族のようなかたちで、家に住んでもらう」ということと、「車も安くで提供する」ことと、「カルフォルニア州の政府に推薦状を書いたので、英語学校の学費など全ていらない」などと夢のような条件が書いてありました。

そして、「お金」なのですが、詳しいことは書きませんが、すごい偶然が重なったのですが、かなりの大金が、手元に転がり込んできました。

改めて、「バシャール」の哲学にビックリしてしまいました。どうも、この世界は、経済学者などが、まだ説明のできない、もっと大きな力があるようです。

「神」がコントロールしている力でしょうが、ただ私は、「ワクワク」することによって、この力を私達も使えるようになるのではないかと考えています。

それには、「行動を起こす」ことが、重要だと思います。「ワクワクする行動」を始めることによって、その力に、「カチッ」とスイッチがはいるような気がします。

そして、もう一つ最重要なことなのですが、よく、「ワクワクする行動ができない。なぜなら、それを本当にやってしまうと、仕事を失い、食っていけなくなるかもしれないから。」という意見を耳にしますが、その不安にある根源的な問題を直視することで、軽減できると思います。

つまり、それらの不安の根本に、「死生観」があるのです。私など今でも、「もし、食えなくなって死んでしまうのであれば、それでもいい。もし自分がワクワクできなくて死んでしまうのであれば、それでいい。もっとワクワクできるような世界や人生に生まれ直せばいい。」とそう考えています。

「一歩を踏み出す勇気」というものは、「永遠の生命」や「宇宙の法則」などを深く理解することから、でてくるのだと思います。

ビジネスのいろいろな「知識」や「テクニック」を学ぶのもいいのですが、もっと根本的な、「霊性」や「神」などのついて学ぶことが、一見遠回りのように見えて、実は一番の近道のような気がします。

ともかく、私の念願の「夢」であった、「アメリカ行き」はこういうプロセスを経て、実現されたのでした。

1996年の12月でした。

 

 

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