「精神世界の鉄人」 エッセイ集

タイトル 発行月日
マスター 13 ギフト 8/6/2001

宮城先生と別れてから、6年の歳月が過ぎました。

私は、ちょうどロサンゼルスに、「パワーリフティング」の修行をする目的で、渡米の準備の為に、いったん、東京から沖縄に帰りました。

1997年の春でした。久しぶりの故郷は、とても懐かしく、学生時代の悪友達と、毎晩、酒を飲んで遊んでいました。(沖縄の人は、よく飲みます)

なんとなく、ブラリと昔通った大学のキャンパスを歩いていました。そして、ある教室の前で、ビックリして、立ち止まりました。なんと、宮城先生が、講義をしているではないですか! 講義が終わるのを待ち、話しかけました。

「宮城先生、お久しぶりです! 6年ぶりですねー、覚えていますか? 教え子のトーマですよ! ネパールで、病気で亡くなったのではないかと、心配していたのですよー、生きていたんですねー、良かったー!」

こう挨拶すると、先生が、

「オウ! トーマ君か? 久しぶりだねー、ウーン、ついに、ネパールでも死ねなかったよ! チクショー、まだ死ねないんだよ、私は…。早く殺してくれよー、いいかげん疲れたよ、本当に!」

こう答えました。周りにいた大学生たちが、「この二人、なんちゅう挨拶しとるんじゃ?」という顔で、呆気にとられていました。(笑)

なんでも、ネパールで、さんざん人々から騙され、裏切られて帰ってきたそうです。あまり詳しいことは、話してくれませんでした。

先生を囲って、何人かの学生と、お喋りしました。昔話に花が咲きました。

話をしていて、しばらくして、話がたまたま「台湾」の話になったとたん、先生の顔が、急に曇りました。それから、急に、私達の前で、弱気になりました。

「トーマ君、実は、私はもう教師を辞めようと思っているんですよ…。」

いきなり、こんなことを言い出しました。理由を聞いてみると、台湾に、1996年に、日本の大学生達と、台湾の文化の調査に行ったそうです。そして、台湾のあるホテルに泊まった時、ある事件があったそうです。

その事件とは、地元の台湾のホテルのボーイが、部屋に入ってきた時、先生と一緒に部屋に泊まっていた、日本人学生の数人が、そのボーイに向かって、小指を立てたそうです。そして、そのボーイに向かって、

「オマエ、俺達のために、女をこの部屋に呼べ!」

といきなり命令したそうです。

宮城先生は、この場面に立ち直れないほどの、ショックを受けたそうです。それまで、さんざん、口をすっぱくして、「人間は平等だ!」とか、「人種差別は止めてください。特に、日本より貧しい国の人々には、やさしくしてあげてください」と教えていたのに、よりによって、その主張が、まったく生徒達に、伝わっていなく、彼らが、台湾の人々を見下した態度をとったことに、本当に、ガッカリしたそうです。

「あいつら、よりによって、この私の目の前で、小指を立てやがったんだよー、あのバカヤローたちがよー、チクショウー、あいつらはよー!!」

こう言って、怒りに震えていました。その時、ホテルから、学生達が出て遊びに行った後、台湾のホテルで、一日中、悔し泣きしていたそうです。

先生が、あまりにも落ち込んでいるので、私が、

「先生、頭でわかっても、それを実行に移すには、もの凄い長い時間がかかりますよ。私なども、先生の教えが本当に、実行に移せるようになるまでに、5年以上かかりましたよ。先生の主張する、人間は全て平等だということを、本当に実行に移せるようになるまでに、多分普通、30年かかると思いますよ。もっと長い目で学生の成長を見てみてはどうですか?」

と慰めてしまいました。先生は、すこし元気をとりもどしました。私がさらに、

「宮城先生のような人物だから、教師を続けなくてはいけないのですよ。今の教育界は、生徒に自分の教えていたことが、全く伝わっていないことに気が付いても、泣きもしない教師ばかりなのですよ。先生、辞めないで、教師を続けてください。今の世の中には、先生のような本物の天才が必要なのですよ!」

こう言うと、先生は、微笑をうかべて、嬉しそうに私を見て、

「トーマ君、君は、私と別れてからの6年間に、ずいぶん成長したようだね。ウーン、素晴らしい。私はね、今までに世界中の超一流という男にたくさん会ってきました。彼らの共通点は、タンタンと喋ること、明るい、子供っぽいです。君のそのタンタンとした話し方、明るさ、子供っぽさは、超一流の男の証拠ですよ。特に、君の、世界チャンピオンになるために、アメリカに行くなどという子供っぽさは、最高です。さすが私の教え子です。」

ニコニコしながら、誉めて(?)くれました。

それからしばらく、また、先生の講義を何回か、受講しました。

ある日、沖縄のある「城跡」に友人と遊びに行った帰りに、先生に会いました。先生から、その「城跡」の感想を聞かれたので、私が、

「イヤー、いつ見ても、お城て、雄大な感じでいいですねー、歴史のロマンを感じますよ、本当に!」

と答えると、先生は、私を睨みつけ、とても怒りました。

「トーマ君、君は、まだ私の言っていることが、分かっていないようだね! そういう感想は、観光業界が、商売の為に創りあげた、イメージです。私はね、ああいうお城や遺跡を見るたびに、イライラしてくるんですよ。そのお城を造るために、どれだけの人々が、苦しみ、死んでいったかわかりますか? 私はね、君に、そういう虐げられた人々の気持ちがわかるような男になってもらいたくて、教えたのですよ。もう一度、その場所に行きなおし、そのお城の歴史を学びなおしてから、私のところにきてください!」

こう言われました。「相変わらずだなー」こう思って嬉しくなってきました。(笑)

それから、その話に続けて、こうも言いました。

「トーマ君、そのお城が造られた当時と、全く同じことが、現代でも、形を変えて、まだ行われているのですよ。零細、中小企業などの経営者たちは、残業代も出さずに、社員をこき使っています。ちょっと業績が悪化したといっては、すぐに、リストラだと言って、社員の生活も考えずに、首を切ります。人間はね、昔も今も、同じことばっかりやっているのですよ。私は、これらの原因の元を正そうと思って、今動いています。最大の原因は、世界に現在存在している、ロスチャイルドなどの闇の超権力をもった一部の権力者たちが、金融などの力を使って、世界を一つにしようと企んでいることにあります。これは、危険な動きだと、私は考えています。私が、絶対にそういうことは、させないつもりです。」

こう話してくれました。どうやら、「世界の闇の超権力者たち」のことを、先生はあまりよく思っていないようでした。

最後に別れる時、私が、

「先生で、お元気で、体に気をつけてください。先生の教えを、アメリカで実践してきます。楽しみにしていてください!」

こう言うと、先生は、

「ウン、元気でね。ところで、アメリカのマッチョマンは、ゲイが多いから、気をつけてください。ゲイ(芸)は、身を助けると言いますが、君は、ゲイに助けられないように、気をつけてください!」

こう、ジュークで、返事してくれました。(笑)

 

「マスター・シリーズ」、とりあえず、今回で終了させていただきます。このシリーズは、宮城先生本人の了承をえずに、私がかってに書きました。(見つかったら怒られるかな?) でも、私だけの胸にしまっておくのは、あまりにも、もったいないと思い、公開することにしました。たくさんの人が、このシリーズで、何かを考えるキッカケになってくれたら嬉しいです。

 

宮城先生は、現在、結婚し、子供さんも二人いるそうです。また、ニューヨークに本部のある「国際連合」の「国連事務総長」から、1997年に、招待をうけ、一緒に、食事をしたそうです。そして、風の便りに聞いた話では、現在は、国連事務総長のアドバイザーとして、「国連」を実質上、影で動かす仕事をしているそうです。

「天才」という言葉は、英語で、もう一つ表現があります。「Natural Gift」です。もしかしたら、先生の能力は、「苦難を乗り越え、なおかつ人々の幸せを心から、願う」という人物に、宇宙から贈られた、「ギフト」かもしれません。

この「ギフト」を、私も、読者の皆さんに、このエッセイを通じて、贈ります。

私は、今週から来週にかけて、また大好きな一人旅にでかけてきます。来週ぐらいにまた、新シリーズがスタートしますので、またその時、お会いしましょう。

では、最後に、宮城先生の、「座右の銘」を紹介します。

 

「この世の中の全てのことは、笑い飛ばせる。宇宙は、壮大なジョークである。」

by 宮城先生&ルース・ベネディクト

 

 

 

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